2007年11月06日

蝉の亡骸

この夏ベランダで一匹の蝉が死んだ。


洗濯をする度

この子のお墓を作ってあげよう

と思った。


夏の終わりに父と2人暮らしのこのマンションから

アタシは嫁に行った。


木枯らしが吹いたので

父が元気でいるかと帰省し

昔の様に洗濯をしていると

カシャリ

と、気持ちの良い乾いた音がした。


今、蝉が細かく砕けた。


枯れ葉の音が好きで踏んで歩いた頃を思った。


綺麗な死の音は乾いていて

再生をおもわせるから

好きです。


乾いた秋の青空によく似合うと思うんです。

posted by 聡子 at 01:40| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月31日

人と人と人と....

今なら分かる

あの時の貴方の辛さ

あの時の貴方の頑張り

貴方もガラスのような心で

両足力一杯立っていたんですね

そんな貴方に出会えてアタシは強くなりました



貴方のようにアタシも誰かのきっかけになれたらいいな
posted by 聡子 at 00:15| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月11日

時間軸

ぐにゅぐにゅした

・・・

そだな あれは

水中と空中の中間のような

そんな中で貴方を見た

アタシはもうとっくにヤメたタバコを手にしていた

枯れたススキがみずみずしく見えたのは

貴方がすぐそこにいるような錯覚と同じで

目が覚めても時間軸が狂ったまんま


空に星が光るまで

今日をどうやり過ごそうか
posted by 聡子 at 23:13| Comment(3) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月17日

試練

蚊取り線香
ハエ取り
ゴキブリホイホイ
ネズミ捕り
かかし
カラス除け. . . .


いろいろあるのに

大嫌いなカエルを避ける方法が無いの


カエルだけが嫌いなのに

カエルだけが避けられないの


カエルを避ける方法がないのよ
posted by 聡子 at 21:44| Comment(10) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月12日

猛暑

ただでさえ蝉が五月蝿くて

昼前には目が覚めるのに

目の前には幼稚園


夕べ片付け残したグラスに こびりついたワインが

かさぶたに見えた


園児の 叫びにも似た笑い声が

蝉を押し退けて 耳をつんざく


窓を開けると 

何かに一斉に群がってぶら下がる園児達



「ぶどうみたい」



そう思いながら

シャワーに向かった
posted by 聡子 at 00:13| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月09日

アタシは何をするべきか

世界一貧困な国の

国一番貧困な少女が

市場で米を拾っている



今夜も驚異的な熱帯夜なのに

涼しい顔でその少女を見ていた



薄っぺらいテレビの中で彼女の母親は言う

「夢なんて持たない方が幸せ」



『一理あるわね』

と心のどこか奥の真っ暗な所で呟いた



だけど少女は学校へ行くのが夢だった

勉強するのが夢だった

いつか小さい子供に勉強を教えるのが夢だった



ソファーにもたれてパックしながら考えた

アタシは何をするべきか

冷たいパックが心地よい



アタシが鼻歌で風呂に浸かりマッサージしてる時

彼女は市場の地面に落ちている米粒を集めている

新聞で使い捨ての情報を眺めている時

1冊の本を毎日毎日読み続けている



人には人それぞれの使命があるのでしょう?

そうなんだよね?

そこに生きる

ここで生きる

アタシはアタシを素敵に生きなくては。
posted by 聡子 at 21:53| Comment(6) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月22日

風変わりな花

真っ直ぐに伸びずに

少し曲がっている

だから貴方が選ばれたのでしょう

他の誰より魅力的だったのでしょう
posted by 聡子 at 21:02| Comment(6) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月18日

貴方を見つけて失うまでの

仕組みを知りたいんだ

ただ仕組みを

貴方を見つけて失うまでの



ずっとずっと緑の丘を登り

 . . . 手を取り合いながらね


いろいろな花や動物に出会い

アタシは貴方を知り

世の中を知った


随分高い山の山頂から見る景色は

鮮やかで清々しかった


アタシ達は飛んだ

それぞれの羽で

遠くにキラリと貴方が光る

その時アタシもキラリと光った
posted by 聡子 at 19:19| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月17日

隣り合わせの死と恋

今年も祖母は戦争の話を聴かせてくれた

毎年毎年同じ話だ

何一つ変わらず色あせない

祖母の話を聴きながら鮮明な映像が浮かぶ

アタシは頭の中で毎年同じ映画を観るのだ

彼女は泣く。

笑い、

また泣く。


彼女が失った何もかもをアタシはこの映画で観る

時に少女の顔になる彼女を見て

殺し合いが現実のモノだったと思い知らされる

恋と死が隣り合わせに存在していたのだから


アタシに祖父はいない


彼女の映画をあと何回観られるのだろう

アタシはこのお話を誰かに伝えられるのだろうか

仮に癒されても忘れることのない生々しい記憶を

いつまでも語り継ぐことが出来るのだろうか


決して同じコトがもう起きない為に

そして今がとても幸せだと忘れない為に
posted by 聡子 at 00:26| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月15日

メロンパン

ありんこと

羽の生えたありんこは

同じなのかな

2匹が恋に落ちたら

やっぱり

楽しさも

難しさも

2倍なのかな

じゃあ

黒いありんこと

茶色いありんこは?

やっぱり

注目度も

ヤジも

2倍なのかな

ぽろぽろと地面に落ちたメロンパンの端っこを運ぶありを見てた

メロンパンはどう考えても幸せな味がする

このメロンパンでたくさんのありんこも幸せになれますように。
posted by 聡子 at 13:02| Comment(4) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月04日

台風

ニュースでは台風が来ると言っている
空には大昔の特撮テレビのような わざとらしくて嘘みたいな雲
乾いた風と濡れた風が絡みあったまま通過して行くのをだらりと寝転んだまま見送った

麦茶が煮えている

麦茶が煮えている

さっきからずっと麦茶が煮えている


「気圧のせいだ」
と呟いた


富士山でも観ないとしょうがない

重たい頭を拾い上げてカチャリと火を止めた


まるでハエのような音を立てるバイクで河原に行くと

金の雲と黒の雲と青い空がいっせいに呼吸している

透き通った水は高級な氷の様にヌルッとしていて

小さな魚が台風とはまるで無関係な顔で滑っている

近くの重なる山々からは音も無く湯気が立ち上り

まるで小説の様にたった今1匹の蝉が短い一生を終えた


この分厚い雲の向こうに富士がいる

見える

見える

この分厚い雲の向こうに富士がよく見える
いつもの3倍でかい富士だ

この川の先の海の向こうの海だってよく見える

風がどこまでも行くのもね

さて

台風?


かかってきなさい。

posted by 聡子 at 00:11| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月03日

森の奥

少し足りないと思う時

空を思うんだな

少し欲しい時

出来るだけ無限な宇宙をね

そうしてほんの少しの時間に森に会いに行く

アタシは森になりたいし

貴方は森のような人

真夏の昼間に降り出した雨の匂いが

ムンっとして胸が苦しかった

通り過ぎた雲の後には

ママの夕ご飯がよく似合う

泣き虫のママが強くならなくても

許してあげようと思う

大好きな人達皆が

ハッピーだったらいいのにな

大好きな人達皆が

ハッピーだったらいいのにな

疲れたら

ここにおいで

アタシは森になりたい
posted by 聡子 at 01:00| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月29日

チェイン

新しいあなたの車に乗ってる夢を見て

ふたりきりいつでも無敵よ 

走りながら思う


私たち何にもしていない


でも何か面白い

昨日のことなんてどうでもいいと今日も思う


宝石と甘いミルクを真夜中に探しに行くの

夜明けまでいてね 

一緒に消えよう


愛を壊したくなるの

ひとりきりの夜はいつも静かで

上手に息が出来なくなるから


愛に全部裂かれたい

気がつくと涙が流れているの

側にいないと不安になる

胸が痛いよ


私は一人でも強いのよ 

何でも出来るし

たまには意地悪な嘘もつくけど 素直なほうね


悩みは人並みにあるけど

閉じ込めているだけ

傷も付きやすいよ

ほっておくなんてすすめないね


オレンジをむいてあげたい

ちょっとだけ食べさせて欲しい

それなのに 側にいてくれないのね


愛を壊して欲しいの

待つの疲れたから

いいよねきっと


声も指も仕草も好きだけど


愛の時間に行きたい

心まで泣いている

抱いてよ早く

あなたがいない明日なんて つまんないじゃない


見えない鎖かけてはあるけど

自由なままでいい 苦しまないでね


宝石と甘いミルクを真夜中に探しに行くの

夜明けまでいてね 

一緒に消えよう


愛を壊したくなるの

ひとりきりの夜はいつも静かで

上手に息が出来なくなるから


愛に全部裂かれたい

気がつくと涙が流れているの

側にいないと不安になる

胸が痛いよ


新しいあなたの車に乗ってる夢を見て

ふたりきりいつでも無敵よ 走りながら思う

posted by 聡子 at 23:57| Comment(3) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月27日

嫁入り行列

兎 兎 

何観て跳ねる

十五夜お月様観て跳ねる

まあるい月に

囚われ兎

嫁入り行列を観て跳ねる
posted by 聡子 at 00:53| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月22日

奇跡

恋もうまく知らないけど

呼吸の合間に 会いたくなる


声が胸に留まって

同じ言葉を繰り返すよ


恋人と呼べるラインと壁

離れただけなのにもう2度と

会えない気がして


空を観てたら気付いた

貴方と出会えたこの奇跡に

この地球の上で君に会えた

どんな未来も

続いて行くんだよね
posted by 聡子 at 00:01| Comment(5) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月14日

勝ちの負け。

レイボーンを聴きながら
今日
っていう液体のような時間と空間を思い返していた


体が痛い

泣く
という作業をサボった胸は
酷く焦げた色のフェンスの味がする

負け
に負ける事が罪なんだ
負け
に負ける事が

レイボーンを聴きながら
明日
っていう怪物のような時空を想い描いて
軽く笑ってやった
posted by 聡子 at 01:34| Comment(3) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月03日

きゅうり

きゅうりって障害がなければ真っすぐに伸びるんだよ

葉っぱや蔓に触ると避けようとしてクルンと丸まっちゃうの

トゲトゲしてるからかしら

誰のことも傷付けたりなんかしないように

葉っぱの下ではクルンクルンになってちっちゃくなって

どうかこの存在が「空」あるいは「無」であるようにと



ラッキーな事に広い空間に投げ出されたきゅうりは

真っすぐに天と地を指差し

ほんの些細な環境の違いに感謝する

力強く生きられる事の意味を知り

水と光と土と家族の笑い声に感謝する

posted by 聡子 at 00:57| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月01日

幸せだけ残ればいいのに

オレンジの海 輝いて

言葉のいらない日

遠くまで歩いて来たね 

と 君の 眩しい笑顔


夕べの電話 空見上げ

ふたりで星見たね

飛び出して会いに行きたい

と いつも 思っているの


ふたりが違う街に住むなんて

こんな幸せの中 考えもしなかった


幸せだけ残ればいいのに

会えない日がとても長くて

幸せだけ残ってほしいのに

切なくて会いたくて


夕焼けの中 幼稚園の 小さなすべり台

初めてキスした頃のふたりに

会える気がして


知らない名前 仲間できたんだね

いつも寂し過ぎて 素直になれないの


想いだけが届けばいいのに

辛い日がまたふたりの目に

想いだけが届けばいいのに

疑いを切り離せずに


ずっと一緒にいるよと

貴方の言葉信じたい


幸せだけ残ればいいのに

一人きりの夜が続いて

幸せだけ残ってほしいのに

この距離に負けそうで
posted by 聡子 at 19:11| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月28日

ハロゲンランプ

そうだな 



頭にいっぱいの言葉は、、、


・・・・・・・・・・・


ハロゲンライト

あるいは、、、

ハロゲンランプ



この無機質な単語

アタシには

温かく

ポワンと心を焼べる

それが何だったのか今はもう解らないけれど

音や香りや言葉には

やっぱり何かが宿っているから

その向こうに見える貴方は

いつもより少し

素敵に思える
posted by 聡子 at 00:03| Comment(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月26日

星になる

群青色の綺麗な夜空に

魚のような光がヌルっと浮かんだ

昔々の思い出の煌き


今弾けたばかりの

ダイヤのような無数のこの煌きは

いつか空に浮かび


きっと

アタシや貴方の大切な人に

幸せを届ける事が出来るでしょう

posted by 聡子 at 13:04| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする