世界中の夜はいつか必ず朝になる
命のバトンのように次の朝へ渡される温もり
全ての姿をすっきりと浮かび上げる朝の空気
斜め上へ向かう太陽に今日も共感出来た喜び
それはおばあちゃんのおばあちゃんのずっと先のおばあちゃんの時代と何一つ変わらない
いくつかの文明を作り上げた。彼等は何を見つめたのでしょう
何と出会い、何を願い、何と生きたのでしょう
数えきれない程の争いは何を守り何を失ったのでしょう
やがて滅びる文明は母なる大地に帰る事を許されるのです。そして
自分自身も地球の一部である事を思い出す事でしょう
道は未来から続く。道は未来から続く。進むべき場所のある者の前に。
たまには木陰でひとやすみ。だってこの先
どこまでも続く階段を上りお説教を聞いたり
雨上がりに真っ青な空の下激しい川を登ったり
それはそれは恐怖の吊り橋を渡ったりして
痛い程の冬にぶち当たる事になるでしょうから
いつだって冬は永遠のように思えて轟々と心の崩れる音が耳を裂きます
それでも風のない冬に冬の日差しが優しい事に気が付くと
もうすぐそこに春が来ている事にも気が付けたりして雪がとても輝いて見える
溶けた雪は自然に任せて流れる。遥か昔と何も変わる事なく
春の音を立てながら。春の音を立てながら。
海は自分がいつか氷山だった事を覚えている。
海は自分がいつかまた雪になる日が来る事を分かっている。
無数の命を抱え、無数の命を支え、ただ黙って海は待つ。
黄金色の秋は必ずやって来るのだ。それは悲しい事なんかじゃない。
いつだって命のリレーは奇跡で、尊く、無数の物語りが広がる。
季節の中で友と出会い、時に恋に落ち、愛を知る
分かり合うのが難しい命との交流も。
どんな一時も愛おしい、どんな海もどんな空もどんな一日もどんな一生もどんな社会もどんな国もどんな大陸もどんな季節も
カラスが鳴いて夜が来るんです
遠い山か遠い海か遠い大地かあるいはすぐ近くのビルに日は沈みます
しっかりと支度をしてください
長い夜も短い夜も必ず朝がやって来ますから
それではみなさんごきげんよう。素敵な夜を