2009年09月26日

心 雨

心が読めるなんて
思ってなんかいないつもりで

それなのに貴方が解らなくて
悲しくなってしまう


どうして解って貰えないんだろうって
思ってなんかいないつもりで

だけど何も言わないで
心の本音を解って貰いたがってしまう


今日は雨
雨みたいに空の高い高い高い高い所から
まっすぐに貴方の上に舞い降りて眠りたい
posted by 聡子 at 23:19| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月25日

嗚咽


泣いて泣いて声も出なくなるまで
泣いて泣いてひきつけを起こした
抱いて抱いて側に居るよと囁いても
貴方の耳には届かない
この腕の中にすっぽり包んで
もう不安なんてバカバカしいよと言ってやりたいけど
その耳に届かないのでは
アタシは結局役になんかたたない

ほんの少し前のアタシみたい
すっぽり包まれた腕の中で
寂しい寂しいと泣いていた
大きな腕を振り払って
あてもないのに
あの時どうしてアタシはあんなに泣いていたんだろう
大きな腕は不安なんてバカバカしいよと言ってくれていたのに

今は静かな夜
虫の音がやっとアタシの耳に滑り込んで来た

posted by 聡子 at 22:26| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月24日

おかあさん



ぶーんとなって
ふゆふゆふゆっとなって
あちらさんも命がけ

うっかり刺された瞬間は
シャクっと聞こえた気がする

ぱちんとやって
未だふゆふゆ飛んでいる姿は
なんとも憎らしい

小さな娘の周りをふゆふゆしている一匹とやり合っている間に
他のに足首をやられた

母親になるって事は
きっとこういう事なんだろう
っと思った

posted by 聡子 at 21:52| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月18日

大切な人

みんな家へ帰るのね
疲れた体を癒しにね
温かい湯船に笑い声

渋滞のバスの中
真っ赤な空の下
赤く染まる水面
そこにかかる橋

高い雲
広い空

遠く母校のグラウンドが光る
ゆらゆらと雲の動きに合わせてバスは進む
ゆらゆらと雲のように川は流れる

息を吸ったり吐いたりする事も忘れてしまう
太陽がこんなにも近くに沈んでゆくなんて

バスの中も赤かった

みんなは夕日を知らんぷり
みんなには当たり前すぎて知らんぷり

当たり前を当たり前と思う幸せを
少しだけ羨ましく思った

今日の夕日を見つめ続けられて
非常にラッキーだった
とも思った

大切な人と手をつないで
また何度でも見たい
とも思った
posted by 聡子 at 22:57| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月17日

ベランダー

僕がベランダの花に水をあげるこの

後ろ姿が オヤジくさいっていつも

笑い転がる休日の朝 まだ眠い



抱えきれない悩み 君が 泣いた夜



朝日が昇って 乾いた涙 君の笑顔

守りたいよ 僕が守ってあげよう



子供みたいに腕を振って 少し前を歩く君を

ポケットに入れたこの両手で 支え続けていよう



どんな時も全力で 泣いて笑う君が僕を

強くしたんだ 気付いてるかな

ベランダの花を眺めてる



posted by 聡子 at 20:48| Comment(4) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月12日

不協和音

耳を塞ぐ為に 歌を選んだアタシも
優しい音色と重なる声に音楽を少し知りました
音は同じ空間を微かに揺らしながらとてもカラフル
ザラメのたっぷり入ったカステラのような音楽は
嫌われる事も多いけど アタシにはたまらなく蜜の味で
「ジャリッ」って奥歯がなる度ひっそりと立つ全身の鳥肌が
病み付きになってしまう

かき氷をかきながらにぎやかな兄の家族の夏の空気は
もう耳を塞ぐ必要のないことを教えてはくれるけど
遠い記憶の夏と同じくらいアタシにはBGMで現実味がなかった
愛されていない感覚をすっかり忘れて生ききる事ができなかった
愛されていない感覚をすっかり消して生ききる事ができなかった

緻密な不協和音は大好き
張りつめた音に広がる景色
緻密な不協和音は安らぎ
たっぷんと浮かぶ水面

ここは奇麗な和音
倍音もないまっさらな和音
「カチャカチャ」というシルバーの音まですっきりと和音

ど、か
み、か
そにならないと

ど、か
み、か
そにならないアタシは
不快和音の中でまた耳を塞いで歌い始めるのか

いや、たっぷんと浮かんで優しく奏でていよう
アタシの音の中で

posted by 聡子 at 22:50| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月10日

from 東京

転職して初出勤の夫を待って午前0時を横切った

時計の針と冷蔵庫の他に虫の音以外に音はない

Uターン

生まれ育った自分の町に戻って来たけど

地面から2センチ浮いてる気分

月が大分削れて今日は星が浮いて見える

posted by 聡子 at 23:38| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

願い

願い

幸せだけ胸いっぱいに生きられたなら
愛だけを心いっぱいに生きられたなら
優しさだけを手にして
自由に生ききれたなら

痛みや苦しみや寂しさや嫉妬
胸が縮こまるあの感覚を知らずに
笑っていてくれたらいい

と、願い、

そのすぐ後に

誰かの為に汗を流し誰かの為に心を痛め
背負った傷の分だけ強くなる
自分の痛みで思いやりを知り
涙が虹を作る事を知ってほしいと願う

願いは願いなだけで
アタシはアタシ
娘は娘

それぞれの人生をそれぞれの道でたくましく生ききりたい
posted by 聡子 at 23:10| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする