2008年10月31日

足跡


まだ足跡をつけた事の無いこの足の裏の持ち主のほんの少しの足跡を

アタシはしっかり見ている

大地からしっかりと受け取り

高い空を見上げ

立ち上がるときを待っている彼女の小さな小さな足跡

いつか長い長い道を振り返らずに進む日まで

その横には大きな足跡と中くらいの足跡が並んでいる事を

ふと立ち止まった時に気が付くのでしょうか


アタシの横にもあったのかしら

大きなのと中くらいの足跡が
posted by 聡子 at 23:10| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月29日

カラメル

ぷるんと1口

上の方から薄く剥がして1口

容器の壁に沿って一気に底まで細長く1口

じわーっと溢れるほろ苦甘いカラメル

もう一度上の方を薄く剥がして1口

溢れ出したカラメルをそっとすくって上からかけて

こらえきれずに大きなスプーンでがぶりと1口

もう1口 もう1口 もう1口

容器の縁に口をつけて最後の汁をなめる

こんな人生を生きられたらなあ
posted by 聡子 at 00:05| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月13日

母乳

人はどうして母乳の味を忘れてしまうのだろう

泣き叫び手足をばたつかせてまで欲したあの味を

満たされた時の幸せと供に


母は覚えているだろうか

私が貪りついた日の感動を

腕の中ですやすや眠ったあの重みを


人はどうして母乳の味を忘れてしまうのだろう

posted by 聡子 at 21:55| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月12日

熱いゼリーみたいな気持ち

愛しているともう一度言わせてください

それが今のアタシにとって本心なのか定かではないけれど

もう一度貴方にそう告げてみたい

貴方と違う世界に出て貴方にどれだけ包まれていたかを知りました

もう一度会いたいです

朝も昼も夜も夜明けもぐるぐると絡まりながら

さらさらのシーツみたく


叶わないから叫ばないけど

届かないから探さないけど

あの日出逢ったあの角から貴方がもう一度現れないかと

この胸は子供の様に痛み子供の様に期待しています


けれどもアタシも貴方も大人ですから

あの角からはもう2度と現れない

どうやらありがとうと言わなきゃいけない時が近づいたようです

ありがとうだなんて言いたくなんか無かったのに

まるでさようならの最上級

ありがとうなんて言いたくなんか無いのに

それに貴方はもうここにはいない

けれど

だけど

それなのに

本当はもう一度愛していると言いたいのに

それなのに

ここからつぶやくわ

届きはしないのだけれど

posted by 聡子 at 00:06| Comment(4) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする